てくすた

ピクスタ株式会社のエンジニア・デザイナーがつづるよもやまテクニカルブログです

エンジニアのためのGoogle Tag Manager入門

この記事は、PIXTA Advent Calendar 2017 2日目の記事です。

元エンジニア、現在はPIXTAの開発・運営全体を統括するプラットフォーム本部担当役員の遠藤です。 プラットフォーム本部には、開発、企画、マーケ、サポート、審査と様々な部署やチームがあり、相互に協力しつつサービスを運営しています。

今回は開発とマーケをつなぐ話です。

Google Tag Managerはマーケターのためのツールでエンジニアのツールではない?

ある日、エンジニアの @kaiba が「Google Tag Managerはマーケターのためのツールでエンジニアのツールではないと思う。エンジニアだけでやるならGoogle Tag Managerを使わないほうが良いと思う。」と言っているのを耳にしました。

Google Tag Managerは、タグ、変数、トリガーなどがあり一見複雑で、エンジニア目線だと、ソースにタグを貼り付ければよいだけなのに、わざわざGoogle Tag Managerを経由しないといけないのか、疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

Google Tag Managerはマーケターにはもちろん、エンジニアにも嬉しいツールなのです。

Google Tag Managerとは?

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Google Tag Manager(以後GTM)とは、アクセス解析や広告配信ツールなどのタグを一元的に管理できるGoogleが無償で提供するツールです。これまでエンジニアに都度修正依頼をしないと、タグの追加変更が出来なかったマーケターなどに人気があります。

遠藤が感じるメリットを紹介します。

ウェブアプリのデプロイなしにデータを送付できる

一度GTMのタグを設置すると、GTM上の管理画面からタグの追加、変更が可能となります。

エンジニアにとっては必要なデータを引き渡すコードさえ書いたら、あとはマーケターに設定と確認を依頼できるのが大きな利点で、お互いの時間を有効に使えますね。

マーケターが送付のタイミングや条件を指定できる

以下の条件などで外部サービスにデータを送付できます。

  • 指定のページにアクセスした
  • 指定のページから辿ってきた
  • イベントが発生した
  • 特定の変数が設定された

バージョン管理されている

バージョン管理されており、前のバージョンに戻すことができます。 不具合があったとき、ウェブアプリのデプロイなしに即座にできまし、原因の特定にも役立ちます。

外部サービスのタグをウェブアプリに書かなくて良い

f:id:endokenji:20171201152724j:plain ソースコードは短く、綺麗に保ちたいものです。色々な外部サービスのためのタグが多数記載されていると、見通しが悪くなります。 ソースコード上には、GTMのタグを記載するのみで済みます。

タグの非同期読み込み

タグマネージャーのタグ配信は非同期ですので、読込の遅いタグがあってもページ読込全体に遅延は生じません。 サービスが成長するほどマーケティング用のタグが増えていくものですが、安心して設置できます。

その他の機能

個人的にエンジニア向けと感じるのは、変数に対してカスタムJavaScriptを設定できる機能です。 これを使用すれば様々なデータ加工がGTM内で行うことができます。 例えば、変数 {{url}} を小文字に変換するのもお手の物です。

function() { 
  return {{url}}.toLowerCase();
}

まとめ

以下の点でGTMは、エンジニア、マーケター、サービスにとって有用です。 できることが多いため複雑に見えるのですが、利点は大きいです。 これを機にGTMの使用を検討されてはいかがでしょうか?

  • エンジニアはGTMにデータを渡すだけで作業完了。
  • 一度設定してしまえば、ウェブアプリのデプロイなしに変更可能。
  • マーケターは渡されたデータを様々な条件で外部サービスに渡すことができる。
  • 非同期読み込みでウェブアプリが高速に動作する。

それでは、3日目の西尾へバトンを渡します。

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