こんにちは、デザイナーの宇田川です
みなさんは、プロダクトの施策を考えるときにどのような発想で考えていますか?
今回は
- なぜKPIツリーを作成したのか
- KPIツリー作成の苦労話
- KPIツリーを運用してからの変化
- 今後の展望
などをお伝えしたいと思います。
※個性豊かな登場人物が複数登場するので、そこもお楽しみください!
目次
- KPIツリー作成の経緯
- 作成にあたって、検討した事
- どのようにKPIを運用しているのか?運用後の変化
- 今後の展望
- まとめ
KPIツリー作成の経緯
PIXTAでは、売上がKGI(重要目標達成指標)になっています。 その目標に対して、各売上のKPI(重要業績評価指標)が設定されています。
売上に対して、CVR(購入コンバージョンレート)を上げる施策を提案して実施していたのですが、 ある日、1 on 1を実施していたときに(元上司*と)
*元上司(通称:みやもん)
もともとPIXTAの事業責任者をしていたが、 突然、そうだ....京都へ行こう!! と京都に引っ越しをして(誰にも内緒で)会社をザワザワさせた男
現在は、京都のお寺に籠り、自叙伝を執筆しているという噂が流れている.....
※mecelo(メセロ)の事業責任者をしている
1 on 1でのやりとり
みやもん:
今どんな施策を打ってるんですか?
宇田川:
購入CVRを向上させる為に、新規ユーザー向けにABテスト中です。
テストは順調で、新規ユーザーのCVRが0.2%向上しそうです!
後、○○○の施策でCVRを上げようとしています!
※宇田川心の声:どや!!
みやもん:
お。。CVRが0.2%アップはいいですね!
宇田川:
心の声:どや!!
みやもん:
ただ、、、これからおこなおうとしている各種施策ですが......
施策に対してストリーを感じないですね
(今やるべき施策かどうか?サイト上の問題に対する課題設定は妥当かどうか?)
宇田川:
うん、うん。。。ううううーーーん??
ホァイ!!!!kyoto people
ストーリーって.....
※自叙伝書くだけあって、言い方が洒落てる.....
みやもん:
現状の問題に対しての課題を事業責任者(現事業部長:すぎぞう)
にヒアリングしてみるのはどうですか?
ここから、宇田川とサイト内KPIツリーの長い戦いが始まったのである
数日後........
事業責任者(すぎぞう*)との現状課題のヒアリングが行われた.....
日差しがジリジリする初夏の出来事だった。
*すぎぞう(現PIXTA事業責任者)
山梨県の山奥の小さな集落出身
坊主にヒゲのイカツイ顔からは想像できない温厚な人物
口癖は、野菜マシマシ.....マシマシ......マシマシ ← うるさい!
ここでの会話を掲載すると、記事が終わらなそうなので、割愛させていただきます。
問題
- 売上のKPIはあるが、それを支えるサイトの問題の可視化ができていない
- サイト内の健康診断ができていない
このような問題があると、すぎぞうから課題感を伝えられた
悪い箇所を可視化して、サイトの健康診断をしたい
このような経緯を経て、サイト内KPIツリー作成が始まりました。
作成にあたって、検討した事
まずはKPIツリー作成プロジェクトのメンバーを集めた
- すぎぞう
- 古参エンジニア(佐々木さん)
- 若手ディレクター(長屋さん)
*佐々木さん(古参エンジニア)
いつも僕とバチバチもめているエンジニア(冗談(笑))
データ分析に強く、僕が信頼を寄せている人
口癖はでかいこと成し遂げるっぺ
僕と佐々木さんのもめ事の記録は下期記事をご覧ください
MFIプロジェクト エンジニアともめたあのひ・・・・その1 - てくすた
MFIプロジェクト デザイナーともめたあのひ・・・・その2 - てくすた
*長屋さん(若手ディレクター)
素直で、優しい。宇田川の心のオアシス!
成長真っ盛りの若手ディレクター
口癖は残り5分ですーー
KPIツリー作成で検討したこと
- 目標数値は何を設定するか
- ユーザーセグメント
- 追うべきページ
- 運用の仕方
目標数値は何を設定するか
UU(ユニークユーザー数)
ここは結構メンバーとの議論でも、すんなり決まった項目になるかと思います。
ユーザーに複数購入させることは、コントロールしずらい数値になるので、
ここでは、いかに購入人数(UU)を増やすかを目標数値に設定しました。
ユーザーセグメント
購入者全体
購入経験あり
購入経験なし
ここの議論が一番白熱したセクションになったと個人的には感じています。
メンバーで話し合って最終的に3セグメントに決定しましたが、初めはもっと沢山のセグメント案がありました。
- 購入経験ありユーザーでも、購入回数、訪問回数で分けて追ってもいいのでは?
- 購入経験なしユーザーは、訪問回数で分類して追ってもいいのでは?
- 未購入ユーザーはどう追っていくの?
- 単品購入と定額購入で分けるべき?
ここでのやりとりで、
宇田川:
セグメントは細かく設定した方が、データをブレイクダウンして見るときにわかりやすいと思う!
佐々木さん:
細かく設定するのは重要だけど、結局その数値をみてアクションにうつせないと意味ないっぺー
すぎぞう:
初めての取り組みなので、最初は完璧を求める必要はないのでは?
まずは、運用を開始してその都度アップデートすればいい
宇田川&佐々木さん:
確かに.......
この他にも色々な角度から考察した結果、3セグメントに決定しました。
mtg後.......
色々案を持っていったが、却下された宇田川に
長屋さんは、
いつも大変ですよね、いつも案を出してくれてありがとうございます!
と言ってくれる.......惚れてまうやろーーーー
追うべきページ
目標数値、セグメントも決まりサイト内のページで追うべきページの洗い出しが始まった。
追うべきページの内容
- 主要ランディングページからの次のアクションページへの遷移UU
- そのページでの追うべき数値(CTRなど)
この資料をベースに何をどうデータで取って各ページの目標数値(UU)を計測するか? の議論をした結果
- 昨対(YoY)からの成長率で各ページの目標UUを設定
- ページ遷移の数値は、遷移率から設定する
が決定となった!
ここまで決まったら、後は数値を出すだけだ!!
僕は、意気揚々とデータ出しに取り組む事にした。
そう、それは暑さもやらわいできた夏の終わり(8月下旬)ごろだった。
次のmtgでメンバーにKPIツリーの完成形を見せる!そんな気分の高揚を宇田川は抑えきれずにいた。
が。。。
いざデータを抽出しだすと.......
- 利用している解析ツールの売上と、実数値が合わない....orz
- UU数もツールと実数値が合わない.....orz
- 単価も合わない.....orz
これ本当に作成できるのかな......不安しかない.....
最終的には、解析ツール上での単価を抽出し(実数とは異なる)、目標数値とし解決
この単価問題を解決することによって、実数との乖離がほぼなくなり目標数値を流入からの数値で作成が可能となった。
ついにKPIツリーが完成し、メンバーへのお披露目の時となる。
メンバーが集まり、 いざお披露目の時。僕は意気揚々とKPIシートを見せながら、メンバーに説明をしていく。 目標と売上との差分もほとんどないと説明すると
すぎぞう&長屋さん:
おお!!いいですね早速運用開始して見ますか!!
宇田川:
はい!!!
心の声:ついに完成だ!!
ここで、いつものパターンはないなと思いながらmtgを終えようとした時に.....
古参エンジニア:
これ流入からの計算ではなく、売上からの計算にした方がよくないですか〜
売上の数値をシートで変更したら、どこの数値を伸ばすべきかが計算されるので、売上からのアプローチがいいと思う。
でたーーーーお決まりのパターン....
でも、このパターン嫌いじゃない。 やりますとも、やりますとも......
古参エンジニア:
そもそももっとシンプルな計算方法にした方がいいのでは?
それは却下!
かくして、KPIツリーの完成&古参エンジニアとの戦いに終止符が打たれたのであった。
そう、夏の暑さも和らいできた9月初旬。僕はこの日を忘れない.....
どのようにKPIを運用しているのか?運用後の変化
実際に運用しているKPIツーリー ※実数は伏せてあります。
- googleスプレットシートのスクリプトで毎日自動更新
- 毎週定例mtgでの数値の変化共有(問題になっている箇所の共有&目標達成ページの共有)
運用後の変化
KPIツリー作成を始めたきっかけが、施策に対するストーリーが見えてこない
言い換えると、その施策が本当にやるべきかどうかの判断がしずらい
だったのですが、サイト内KPIを設定することにより
- サイト内の健康診断ができるようになった
- 問題がある箇所の可視化ができるようになった
- ディレクター以外のメンバーが施策を提案するときのツールになった
この問題に対しての課題を施策に落とし込むように思考が変化した
今後の展望
サイト全体の健康診断はできるようになりましたが、 問題に対する、データの掘り下げを行い何が原因か?を洗い出しているのが現状です....
今後、下記KPIツリーのバージョンアップをして行きたいと
- KPIツリーの数値を掘り下げたKPI指標の作成
- セグメントの分割
- 未会員のKPIツリー作成
最終理想は、KPIツリーを見ればどこの何(掘り下げた数値)を改善すればいいか?
がわかる状態までできるようになる!です。
※ここまでできるようになったら、みなさんにまた苦労話の記事を公開したいと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
KPIツリーも運用を開始したばかりで、 まだまだアップデートが必要(育てていく)なフェーズですが、
今回のKPI作成で学んだ事
- 始めから完璧を追求しない(まずは運用してアップデートしていく)
- セグメントも大きく分ける(細かく分けすぎない)
- 作成して満足ではなく、問題の可視化をして課題を解決する
- 色々なメンバーの意見を聞く(ただし聞きすぎない(笑))
次回は、KPIツリーからの施策成功事例などをお伝えできればと思います!!
最後に一句
プロダクト
バケツリレーを
忘れずに
※古参エンジニアより
* * * * *
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