こんにちは、インフラチームの菊池です。
今回はWebサービスの運用には欠かせない、サービス監視のお話をしたいと思います。
事業目的でWebサービスを展開するとなれば、正しくサービスが稼働しているか常に監視しなくてはなりません。大規模サービスともなれば、監視システムの運用だけでもそれなりの手間とコストが発生したりします。
しかし、開始間もない小規模サービスや個人で運用しているサービスなどにおいては、そのようなコストをかけることができない、または必要ない場合もあるでしょう。
今日はそのような場合に使える(かもしれない)無料の監視サービスを紹介させていただきます。
システムの監視と言っても、リソース(キャパシティー)監視やパフォーマンス監視等ありますが、今回紹介させていただくのは主にサービスの死活監視(外形監視と言われたりもするようです)を行う為のサービスです。
New Relic Synthetics
https://docs.newrelic.com/docs/synthetics
アプリケーションパフォーマンス監視、の方がお馴染みでしょうか。
New Relicが提供するサービスの1つです。
無料で使える機能の主な特徴としては以下のようなものがあります。
- 50モニター(URL)まで登録可能
- 監視方法は、ping(多分HttpStatus)、文字列、SSLのチェック
- 監視間隔は1分から、データ保持期間は2週間
- 世界各地にあるデータセンターから監視を実行(監視地点を選択可能)
- 通知はメールの他、Slack、HipChat、WebHook等に対応
※2018年2月時点の情報です。詳細については公式サイトのドキュメント等でご確認ください。
いかがでしょうか?
無料でも基本的なサービス監視用途であれば十分な印象です。
更に有料版に移行することによって、スクリプトを使ってのログイン処理の確認なども実装できるようです。
有料版と無料版の違いについてはこちらでご確認ください。
NewRelicには前述の通りパフォーマンス監視機能もありますので、併用することによって、あるいは有料版への移行によって更に本格的な監視が実現できそうです。
規模や機能を拡大していきたい企業運営のサービス監視などにも利用できるのではないでしょうか。
Uptime Robot
こちらはNew Relicと比べてあまり聞きなれないサービスかもしれませんが、筆者が以前ちょっとお世話になったことがあるサービスです。
こちらもNew Relicのそれと似たような特徴を持った監視サービスで、無料では以下のような機能が使えます。
- 50モニター(URL)まで登録可能
- 監視方法はHttpStatus、ping(ICMP)、port、文字列のチェック
- 監視間隔は5分から、データは2ヶ月分保持
- 監視は基本的にアメリカのダラスから実施され、異常時に他の地点から実施される
- 通知はメールの他、Slack、HipChat、WebHook等に対応
※2018年2月時点の情報です。詳細については公式サイト等でご確認ください。
いかがでしょうか?
登録可能なURL数が50で前述のNew Relicと同じですが、監視間隔が5分からとなる点などは、サービスによってはちょっとネガティヴな材料になるかもしれません。
また、有料版にしても監視方法自体は変わらず、New Relicのようにスクリプトを用いた高度なチェックは行えないようで、若干拡張性は低い印象です。
有料版と無料版の違いについてはこちらでご確認ください。
ただし、それでもサービスの死活監視には十分な印象です。無料ですし。
有料版まで含めて機能的に比較するとNew Relicにはちょっと見劣りするかもしれませんが、変わりにこちらは非常にシンプルで簡単な登録・設定が魅力です。
あくまで個人的な印象ですが、アカウント登録やモニターの設定が非常に簡単だったと覚えています。
また、こちらのような公開可能なstatusページが用意されるのもちょっとユニークです。
最低限サービスの死活監視だけでもしておきたいような、個人運営のブログやサービスの監視に向いているのではないでしょうか。
ちなみに筆者はその昔、Heroku上のサービスの監視でUptime Robotを利用していましたが、監視というよりサイトがアイドル状態になるのを防ぐために使っていた記憶があります。
まとめ
監視サービスは他にもあるかと思いますが、自分が使ってみたことのある2つのサービスを紹介させていただきました。
両者とも無料で50URLまで登録可能、障害時にはメールやチャットに通知もしてくれる、Webサービス運営者にとっては大変有難いサービスだと思います。
ターゲットとしては独自の監視システムを持たないような小規模システムの運営組織や個人がまず思い浮かびますが、独自に監視システムを運用しているような場合でも、これらのサービスを補助的な監視システムとして利用するという使い道もあるかと思います。
独自にサーバーを構築したりせずに無料で気軽に始められるサービス監視、
興味のある方は是非お試しください!
* * * * *
ピクスタでは、能動的に改善に取り組んでサービスを良くしたいエンジニア・デザイナーを募集しています。